ご自分のドライウエイトに納得していますか?実は、ドライウエイトを決めるのは大変難しくいくつかの情報、心臓の大きさ、血圧の推移、むくみなどを勘案して一所懸命考えます。ですが、当たっているかどうかを確かめる方法がありません。

聞いたことがあると思いますが、フランスにタッサン透析センターと言うところがあり、そこでは10時間透析が行われてきました。そこの患者さんたちは、透析後には十分体重が下がるので血圧が高くありません。98%の患者さんは薬に頼らずに血圧は下がっているのです。望ましいドライウエイトまで時間をかけて治療すると薬がいらないばかりでなく長生きできることも分かっています。これが理想的なドライウエイトです。ですが、多くの皆様は10時間透析を希望されないのではないでしょうか?

そこで、理想的な体重を当てることができる装置が開発されました。
この装置を使うと数秒で適正体重が表示されます。まるで占い師のようです!ドイツ製のフレゼニウス社、BCMという装置です。この装置の威力を端的に示した論文をご紹介します。


その研究は3つの患者さんの集まりに対して生存率を調べたものです。
①10時間透析を施行しているタッサン透析センターの患者さん

ドイツのGIssennと言う街にある透析センターの患者さんで
②BCMによりドライウエイトが適正と判定された患者さん
③ドライウエイトが高いと判定された患者さん
の3つのグループです。


左がタッサン透析センターで長時間透析を行っている患者さん。真ん中がドライウエイトが適正なジッセン透析センターの患者さん、右がドライウエイトが高すぎた患者さんです。言うまでも無く、ジッセン透析センターの医師も一所懸命ドライウエイトを適正にしようとCTRや血圧、むくみなどを見て考えていました。しかし、わずか3秒ほどで測定されるBCMの結果では、ドライウエイトが高すぎる患者さんがいることがわかったわけです。

下のグラフでそれぞれの患者さんの生存率を示します。この結果で一番意外なのは、10時間透析を頑張っているタッサン透析センターの患者さんと、通常の4-5時間透析のジッセン透析センターの患者さんでも、ドライウエイトが適正なら10時間透析と遜色ない生存率だったことです。一方、BCMで測定したドライウエイトが高すぎる患者さんは5年後にわずか20%ほどしか生存していなかったのです。この衝撃的データーから、ヨーロッパではBCMがドライウエイト決定の主要な装置になりました。


東神クリニックではBCMの推奨値よりも高い患者さんのドライウエイトは必ず引き下げていますが達成不可能な患者さんはほとんどいらっしゃいません。

この装置を持っている透析センターはあまりありません。ですので、ご自身のドライウエイトにご興味がありましたら東神クリニックで測定できますので測定だけでもしてみてはいかがでしょうか。

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